aikoさんの歌詞は秀逸で、複雑な恋愛感情をうまくほどいてくれるものが多いです。
それだけに、歌詞と同じ状況で聴くといい意味でも悪い意味でもめちゃくちゃ心に響くんですよね。
今回は、aiko歴10年になる私が、恋愛の症状別にaikoの名曲を紹介します!
片思い
横顔:いつの間にか恋に気付いた甘酸っぱい日々に
真正面から見つめたことがない!
だから思い出すのはあなたの『横顔』!
車の助手席に乗せてもらえるくらいの仲なんだから、あと少しな気がしますけどね。
「イケそうだけど、まだ確信が持てない」。
そんなときにピッタリな曲です。
aikoさんは背が小さく、歌詞でもよく言及されています。
『胸は風を切って』というフレーズも、背筋を伸ばして少しでも「あなた」の横顔に近付こうとしたのではないでしょうか。
少しでも近づきたい、もっと仲良くなりたいという気持ちが「あなたの横顔」を通して描かれていて、甘酸っぱい少女漫画を読んでいるような歌詞です!
恋愛から遠ざかっているなぁってときに
恋愛気分を思い出すのにもおすすめ!
花火:あとちょっとのところで足踏みしてしまうとき
好きで好きで仕方なくて、もう気持ちは止められない!というときの心の周波数とこの曲の周波数、だいたい同じ説。
意味不明なこと言ってすみません。
でも本当に、恋をしているなら「分かる!!」と言わずにはいられないほど、歌詞はもう恋するモード全開です。
こんなに好きなんです 仕方ないんです
aiko「花火」
このサビだけで、片思い中の人々の気持ちは盛り上がっちゃいますよね。
ただ甘い気持ちだけでなく、切なさや悲しさも入り混じった複雑な心境の表現はさすがaiko先生といったところ。
この曲は夏の曲で「秋までには付き合いたい」というようなフレーズが出てきますが、「いついつまでには…!」という気持ちはいつでも同じ。
諦めてしまいそうな、いや諦めた方がいいような考えも浮かんでしまうときには「aikoさんも同じなんだな」と思えるのでぜひ処方してもらってください。
男性人気も高いので、覚えてカラオケで歌ってしまうのもアリ!
こちらの記事でも詳しく歌詞考察しているので、ぜひご覧ください!
ナキ・ムシ:片想いの相手が好きで好きでたまらない悶える日々に
まだまだ手にも触れられない関係、つまりおそらくはまだ片思いの関係です。
サビの不器用な女の子の描写は、日本の女の子なら結構な確率で共感してしまうのではないでしょうか。
実はこの曲、学生時代のaikoファンの友人に「この曲あなたにぴったりだよ」と言われて聴くようになったんです。
実際に泣き虫だし、異性が喜ぶような甘い言葉をかけられるほど手慣れてないし。
この歌詞の女の子も、「かわいく甘えて手を掴んだり抱きしめたりしたい…けどなんか勇気がでない…」と可愛く悩み、一人で枕を濡らすタイプの不器用な乙女なのでしょう。
歌詞に共感して身もだえるもよし、歌詞から女の子の姿を想像して愛でるもよし、この歌詞に似合う女友達を想像するもよし(?)な名曲です。
自己紹介代わりに「ナキ・ムシって曲が共感できるんだよねぇ」と
言ってしまうのも手かも?
蝶々結び:落としたい運命の相手がいるときに
おしゃれで軽快なメロディが、恋する気持ちを盛り上げてくれる曲。
さきほどの『ナキ・ムシ』とは一転して、割と恋に積極的な女の子を感じさせられます。
「待ってみよう」「抱いて抱いて」という歌詞から一見すると受け身のような感じを受けますが、「足を前に踏み出して」というフレーズからは自分から積極的にアプローチしてみようと試みる様子がうかがえます。
そして最高潮のキュンポイントは、過去に出逢ったとしても恋をしていただろうと思えるほどの運命の人だということ。
「運命の人」というテーマには、ディズニー映画のプリンセスのようなロマンティックな雰囲気を感じちゃいます。
最近のディズニーの女の子も結構積極的な子が多いですしね。
ディズニー映画のようなトキメキを味わいたいけどそんな時間がない!というときに代用してもいいかもしれません。
milk:曖昧な大人の関係を続けている方に
リリース当時中学生だった私は「すれ違ってもまだまだ声もかけられない仲の片思いなんだなぁ」と思っていましたが、大人になって聞いてみるとどうやら違うっぽいことに気付きました。
これはおそらく、恋愛関係ではなく『大人の関係』になってしまった相手を本気で好きになってしまったけど、この関係を崩したくなくて前に進めない歌詞、というのが大人になった私の結論です。
まぁ大人になっても私にはそんな経験ないんですけどね…。
『大人の関係』であるからこそ、職場などですれ違っても声はかけづらいのでしょう。
そして携帯電話には『何度も見た名前』が映し出されるのですから、携帯一つで呼び出されてしまうような関係ということかもしれません。
「笑顔の練習」も、単に笑顔がニガテな不器用な女の子なのではなく、「この曖昧な関係が辛くて悲しい顔をしないため」だとしたら…うう、辛すぎる…。
心当たりがある方が聞いたら耳が痛いのでは…?
詳しく考察した記事もありますので、ぜひご覧ください!
付き合った後
ボーイフレンド:付き合いたての恋愛気分を盛り上げたいとき
これはもう、解説の必要なしです。
曲を聴いてください。
付き合いたてのハッピーな気持ちで聴けば、共感しかないです。
とはいえサビの「テトラポット」だの「靴飛ばそう」だのが印象的かつ「どうゆこと?」って感じですよね。
でもあれはそんなに意味はないかと思います(違ったらaiko先生、すみません)。
気分が盛り上がって、気分と同じように上ばかり見てしまって、靴まで飛ばしちゃう気分なのでしょう。
サビの音程が高低差激しくて歌いづらいので
カラオケで歌うなら要練習です!
恋愛:想いの温度差がある相手にもどかしいになっているとき
恋をしていると、相手の言動に一喜一憂してしまいます。
「同じ気持ちだ」と嬉しくなったり、
「どういう意図なんだろう」と頭を抱えたり、
「あれ、愛されていないのかな」と不安になったり。
この『恋愛』という曲に出てくるのは、そんなもどかしさに悩みながら「相手も自分の言動や態度で不安になってくれればいいのに」と考えてしまう女の子です。
不安にさせたい、というと聞こえは悪いですが、「自分と同じ熱量で相手にも恋愛してほしい!」という気持ちだと言うと少し分かりやすいのではないでしょうか。
喉の痛い朝 頬杖の街
こんな日はすぐあなたに触りたい
aiko「恋愛」
体調が悪いときや憂鬱なとき、思い出すのは「あなた」のこと。
自分ばっかり相手のことを想っているみたいで辛いの!
そんな気分のときに聴くと、「私だけじゃないんだ」と救われた気分になるので、付き合っているのにモヤモヤする人は必聴です!(経験談)
シアワセ:付き合って少し時間が経ち、ふんわりした幸せを実感しているときに
この曲では、恋愛においての「幸せ」を全部説明してくれています。
とくにラストの部分ではしっかり定義づけしてあります。
隣で眠ってるあなたの口が開く そして笑った
これが幸せ 今の幸せ
aiko「シアワセ」
やれ「クリスマスにハリーウィンストンをくれた」とか、
やれ「ジョエルロブションのディナーに連れて行ってくれた」とか、
そういう物質的なものではないんですよ。
そばにいるだけで、
微笑みをくれるだけで、
心が通っただけで、
落ち着いた気持ちになれるだけで、
「幸せだなぁ」と思える、それが恋愛における幸せ。
また、歌詞の端々からも「良い恋愛をしているなぁ」と思える点はいくつもあります。
自分の弱いところも知ってるけど、責めるでも指摘するでもなく見守ってくれていたり、相手の呼吸や喉すらも愛おしかったり。
付き合いが長くなって、「最近燃え上がるほどドキドキしていないな」と思ったときは、この『シアワセ』を聴いて今の幸せを再確認しましょう。
これを幸せと思えずに刺激を求める人がきっと浮気に走るんだろうな…。
桜の時:結婚を意識しながらも少しだけ不安がチラつくとき
- 結婚を意識している相手だけど、女の子の扱いに慣れているあなたに不安もある…。
- 「あたし」には『間違いじゃないとは言い切れない』ような過去もある…。
基本的には「付き合えていて嬉しい!」みたいな状況が続く歌詞なのですが、うっすらと不穏な空気の漂う歌詞です。
まぁ、「好きな人がいるから人生幸せ!不安なんてない!」という歌詞よりよっぽど人間らしくて、理性的で、かえってリアリティはありますけどね。
そういう意味ではあんまり女の子らしい歌詞ではないかもしれません。
「あたし」はおそらく、付き合ってからちゃんと化粧をするようになったみたいだし、もともと女の子らしさに当てはまるようなタイプではないのかもしれませんね。
『桜の時』の考察はこちらの記事でもじっくりしております。
けっこう複雑な恋愛の心情が描かれていて、話すと長くなるので…。
また、結構聴く人によっても解釈の分かれる歌詞かなとも思います。
失恋した後
二時頃:好きになった人に恋人がいたとき
好きな人と電話してハッピー感満載な1番。
うって変わって、相手に恋人がいることに気付いてしまった2番のBメロ。
この曲を初めて聴いたときの切なさたるや…。
当時高校生だった私は、恋人のいる人に恋をしていたので、この曲を聴いたときはもう切なくて切なくてぶっ壊れそうでした。
でもそこで、ちゃんと悲しんだ上で離れることを決めるあたり、やはりaikoさんの歌詞には好感が持てますね。
もちろん「関係は続けて、彼女と別れたらアタックする」という強い志を持つ女性も素敵だと思いますけどね。
相手に恋人がいたことで身を引いてしまうような、強気になれないちょっと自信なさげな女の子、私は大好きですよ!
まぁそもそも、彼女が横にいるのに、それを隠して他の女と電話なんかしてる男、どうですか?って感じもしますがねぇ。
二人:好きな人に私ではない好きな人がいたとき
これは誰も悪くないんですよね~~。。。
またこの曲も『二時頃』同様に歌詞の構成が秀逸で、これまた2番のBメロで「相手は自分ではない女の子を好き」ということが分かってしまいます。
aikoの2番のBメロは魔境。
好きな人がいる人は、さらに魅力的に見えてしまうものです。
だから、他に好きな人がいる人を好きになってしまうのは何も悪いことではないんですよね。
かと言って誰のせいにもできないし、自分も責められないし、めちゃめちゃツライ。
夢中になる前に解ってよかった
aiko「二人」
なんて言ってますけど、もう気づかぬうちに戻れないくらい好きになってしまっていたパターンでしょう。
誰を責めることもできないから、「まだ好きになる前でよかったんだ」と合理化してしまうことで、自分の心を守っているようにも見えます。
うーん。
ただただ切ない…。
ちなみに、『二時頃』では相手の彼女は『バニラの匂いがする』女の子、『二人』では『香るあの子』と、恋のライバルが「嗅覚」で表現されています。
見ないようにしたいけど、どうしても意識の中に入ってきてしまうという表現なのでしょうかね。
KissHug:昔の恋を思い出して浸りたいとき
この曲の歌詞自体は、失恋して間もない時期の歌詞のようです。
ただ失恋直後に聴くと、元カレを思い出して辛くなってしまいそうなので、
また年を重ねてきっと思い出す
aiko「KissHug」
というフレーズに合わせて昔の恋愛を思い出しながら聴く方がこの曲の真価が発揮されるかもしれません。
「もうこんなに好きな人は現れないかもしれない」
「ずっと忘れられないかもしれない」
と思っていた失恋直後の気持ちを思い出して、「そんなことなかったわ」と笑い飛ばしながら聴くとすごくちょうどいい歌詞です。
長らく恋愛していない方も、
「恋愛ってこうだったな」
「恋愛してない今は精神が落ち着いていいな」
「でもなんか物足りないな」
などとじゃんじゃん感情を動かしちゃいましょう。
きっと脳も活性化します。
aikoの歌詞を脳トレ扱いするな
青空:なんでこんな人が好きだったんだろうというとき
とはいえ!!!
好きだったんだもん!!!
…と続きそうなサビが良きです。
おそらく結婚まで考えていた恋愛だったのでしょう。
『触れてはいけない手』『馬鹿みたいだなぁ』というフレーズで、その人と長らく恋をしてしまったことが間違いだったことを感じさせられます。
サビから察するに、「あたし」は「あなた」に言いたいことも言えなかったり、疑問が残っても同調してしまったりするような恋愛をしていたようです。
過激な言い方をしてしまえば、モラハラみたいな感じだったんですかね。
なんでダメな人に限ってこんなにハマってしまうんでしょうかねぇ。
「まあでも、別れてよかったじゃん!」
と、友達だったら言いたくなる歌詞ですね。
好きになったことを後悔してしまうような恋愛が終わったときは、『青空』を聴いて気持ちを浄化させてください。
詳しい考察はこちらの記事で。
キラキラ:いつまでも忘れられない人がいるとき
タイトル通りキラキラしたメロディに、キラキラしたフレーズたち。
でも、内容はすごく悲しいんですよね。
戻ってきてくれると思って復縁を待ち続けている人には、きっと刺さるのではないでしょうか。
私は別れたらすぐ忘れてしまうタイプなので共感こそできませんでした。
でも「あたし」は『この世がなくなっちゃっても』待ち続ける覚悟みたいなので、それくらいの覚悟がある人には共感できるのかな…。
もう長いこと「あなた」を待ち続けている「あたし」。
失恋したのに忘れられないのか、それとも「あなた」はもう居ないのか…。
いろんな説がありますが、こちらの記事で考察しているのでぜひ読んでみてくださいね!
aikoさんの曲は特に恋愛の歌詞が多く、恋愛初期~失恋まで、多様な恋愛が歌われています。
ぜひ、自分の症状に合ったaikoを見つけてくださいね!
今までのシングル曲が集められたベストアルバムには、この記事で紹介した曲のうち『恋愛』以外が収録されています。