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【歌詞考察】aiko「milk」は”都合のいい女の片思いの歌説”を聞いてくれ

2009年にリリースされたaikoさんの名曲「milk」。

CMソングとして適用され、サビの「好きな人に話しかけられない女の子」の描写が共感を呼び、若い女性たちの間で流行しました。

しかし、大人になってふと聴いてみた時、思ったんです。

このサビ、本当にただの片思いなのか…?

結論からいうと、これは「身体の関係にある、都合のいい女の片思いの歌」ではないかと思うのです。

その根拠や、「そう思うとこのフレーズも合点がいく」というポイントを徹底解説していきます。

最後の最後にわかる「関係性」

乱れた髪に触れられる関係

…この見出しを見て、ピンと来てしまった方は多いのではないでしょうか。

最後のフレーズだけ、なんか温度感が違うんですよね。

さっきまでうじうじと前に進めない女の子の言葉が続いていたのに、急に乱れ髪。

乱れた髪に触れるなんて、風呂あがりか、寝起きか、またはその間の時間くらいです。

つまり、そのタイミングに会えるほどの関係ではあったということです。

すれ違っても声をかけられない関係じゃなかったの?

こちらがCMで流れ、全国の女子のハートをキュンキュンさせたサビです。

この間はすれ違ったんだ だけど声は掛けられなかった
曖昧なお辞儀は逆に嫌 この気持ち冷めてしまう前に

aiko「milk」(作詞AIKO)

サビがまた、いいミスリードをしてくれています。

CMでしか聞いたことがないと、「好きな人に声かけられないタイプか~かわいい片思いだな」としか思えないかもしれません。

でも最後の最後の乱れ髪を聴いた後だと、こんな解釈ができると思います。

「あたし」と「あなた」は同じ職場。

職場には内緒の関係を持っていて、職場ではどう話しかけたらいいか、気まずい。

そして「あたし」は、本気で「あなた」を好きになってしまった。

同じ「職場」というのは勝手な妄想ですが、「学校」「営業先」などと置き換えても意味は通じますよね。

以上が「都合のいい女の片思い説」の根拠です。

ここからは、それを踏まえた上で他のフレーズを読み解いていきます。

「あたし」が望むもの

『真っ白い光』

Bメロでは、「あたし」の望みが語られます。

雪もミルクも霞む静かでスロウな

真っ白い光にいっしょになりたい

aiko「milk」(作詞AIKO)

白には、「純潔」「ピュア」なイメージがあります。

身体の関係でしかない今の状況を壊して、純粋に愛し合う関係になりたい、と私は解釈しました。

『雪』がめったに見れない美しいものの例え、『ミルク』が男性の…(具体的には言えません)だとしたら、それらが霞むほどの美しい関係になりたい、身体だけの関係から脱したい、という風にも捉えられます。

また、『真っ白い光』は「日光」「昼間」とも解釈できます。

夜だけに呼び出される都合のいい関係でなく、真っ白く明るい日光の照らす昼間にも堂々と会える関係になりたいということでしょう。

タイトル『milk』の意味

タイトルにもなっている『milk』=牛乳は、不透明な白です。

対して『光』は、物体ではないため透き通っています。

そう考えるとタイトルの『milk』は、不透明な身体だけの関係から抜け出せない状況を表現したものになっていると考えられます。

不透明とはつまり、誰にも言えない関係です。
それは身体だけのお友達かもしれないし、不倫にまで発展しているかもしれません。
不透明だから、真相は聴き手にすら教えてくれませんね。

「目」と「口」

そして同じくBメロの、その前のフレーズがこちら。

ねぇ目を見て ねぇ口見て

aiko「milk」(作詞AIKO)

なんともロマンティックでセクシーなフレーズですが、これも単なる身体の関係を脱したいという思いが垣間見れます。

一般的に、人は嘘をつくときに「目」を逸らす、「目」が泳ぐと言われています。

また、恋人以外とは「口」づけをしたくないという人も多いです。

「目」と「口」を見てというのは、恋人らしいことをしたい、ひいては恋人になりたいという表現なのではないでしょうか。

都合のいい女を止められない

呼べば来る存在

暗闇でいじる電話のライトがただキラキラに
照らす何度も見た名前

aiko「milk」(作詞AIKO)

2番のAメロでは、携帯電話のディスプレイに『何度も見た名前』が表示されることが言及されています。

もしサビの『声はかけられなかった』の意味が「すれ違っても声をかけられないほど遠い仲」だったとしたら、何度も携帯電話でのやり取りしていることは考えにくいですよね。

だとすると、なぜ何度も見た名前が『暗闇』=夜に表示されるのかと言えば、夜に都合よく呼び出されるような関係だと解釈することができます。

『明日』と『今日』

夜に呼び出され、都合よく愛し合った翌朝、また他人へ戻る。

明日と今日は一緒になれない

aiko「milk」(作詞AIKO)

2番Bメロのこのフレーズは、このことを表していると解釈しました。

『今日』:嘘でも「好きだ」とか「キレイだ」とか言われて抱き合った関係

『明日』:すれ違っても声をかけられない関係

今夜どんなに愛し合っても明日にはそんなことなかったかのように他人に戻る関係を、『いっしょになれない』と表現されています。

つまり、結ばれない関係であることは、「あたし」も分かってはいるのでしょうね。

分かっちゃいるけど止められない、
都合のいい女スパイラルですね。

止められない関係

都合のいい女を止められないことが分かる表現は、最後にも登場します。

もっと心躍る世界が すぐ隣にあったとしても

乱れたあなたの髪に触れられるこの世界がいい

aiko「milk」(作詞AIKO)

『もっと心躍る世界』とは
きちんと大切にしてくれる男性と付き合える世界

または

堂々とお付き合いし周りからも祝福される世界

でしょう。

世間体的にはそっちの方が望ましいですし、「あたし」だって今みたいにもどかしくて辛い思いはしなくて済むかもしれません。

『すぐ隣に』とあるように、望ましい付き合い方は特別なことでないことも、恋人を大切にしてくれる男性はたくさんいるってことも、「あたし」は分かっています。

でも、結局好きになってしまったが最後。
大切にされてようが無かろうが、気持ちは止められないんですよね。

リリースから10年以上経った今でも聴いてしまう、ノリが良く可愛らしい名曲。

昔好きだった曲も大人になって聴いてみると、新たな発見があるものですね。

その人の人生経験や知識などでも聴き方は変わるのが、歌詞のおもしろいところですね。

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