本日、3/2に公開されたこちらの記事。
ラブホの上野さんの、「パパ活に潜む悪魔のような男」という記事が面白くて、私にとって「おとぎ話」のような話だったんです。
既に読んだ方からしたら「性格最悪かよ」と思われるかもしれません。いや、私もそう思います。
でも、とりあえず聞いてくださいよ。私がこの記事を「おとぎ話」だと感じてしまった感想を。
簡単なあらすじ
※ネタバレを含みます。
「その男」と呼ばれる主人公の男性は、モテない青春時代を送りました。
その後、人一倍の努力によって自分の事業が成功し、自由に使えるお金は個人で持つような額ではなくなりました。
そのお金を何に使ったか。
ひとことでまとめると、
「パパ活のパパになることでの、キラキラ女子への復讐」。
なぜ「復讐」という表現かというと、今まで恋愛に興味は持っていたものの、女性から興味を持たれることが一切なかったから。
また、お金を持ってから寄ってくる女性には、年齢のせいもあってか口説くということが出来なかったから。
その復讐方法というのが、
「パパ活女子に体の関係なしに大金を与え、
生活レベルを高めさせた後、
援助を切る」
というもの。
一見フツーの、というかライトなパパ活のように思えますよね。
しかし、大金を得、生活レベルが身分不相応に爆上がりしてしまった女性は、普通に働いて得られる普通の幸せを感じられなくなってしまうのです…。
闇金ウシジマくんだぁ。
条件がまんま私
「この記事を面白いと思った」という人に、以下のような印象を抱くのではないでしょうか。
どうせ「復讐」に遭ったようなかわいい女の子に嫉妬して
スカッとジャパンのような快感を得たんでしょ。
しかしながら残念。
「復讐」に遭う女の子、つまり「その男」の募集条件は以下のもので、私はほとんど当てはまっています。
- 大学生であること
- 比較的きちんとした東京の大学に通っていること
- 極端に擦れていないこと
- 一人暮らしであること
- 地方出身であること
- 美味しいものが好きであること
- 一般のアルバイトをしていること
- そこそこ可愛い
引用元:パパ活に潜む悪魔のような男(ラブホの上野さん)
一人暮らし以外は、大学時代の私に当てはまっています。
「擦れていない」かどうかは微妙ですが、応募する際に隠せばどうとでもなります。
そこそこ可愛いかどうかも見る人によりますが、痩せ型で特徴のない顔なので、女子アナメイクをすれば多少男ウケする女に擬態できます。
さらに大学当時の私は彼氏もいたし、高校でも比較的目立つ方だった人間なので、「その男」からしたら恰好の復讐対象だったと思います。
パラレルワールドの私
パパ活未遂の私は助けられた
大学時代の私は、一時期パパ活を考えたことがありました。
地方から出てきた私が「比較的きちんとした東京の大学」で見たのは、生まれながらに裕福な勝ち組で、当り前にブランド物を身につける女の子たちでした。
そんな女の子に憧れつつも嫉妬して、追いつきたくて、でもバイト代じゃ足りなくて、楽に稼ぎたくて。
さらにパパ活が全盛期だった当時は、彼氏と別れたばかりで「もうどうとでもなれ」という気分だったんですよね。
ただ、友人に相談したとき、
パパになる相手が、どんな黒いつながりや思惑があるか分からないんだから危ない
と言われ、そんなに心配してくれる友人に迷惑はかけられねぇ…と思って断念したんですけど。
今思えばなんていい友人なんだ…。
だから、その友人がいなければ、私もパパ活で身を滅ぼしていた愚かな女子大生の一人だった可能性が十分にあるんですよね。
パパ活をしていた世界線
パパ活に潜む悪魔のような男(ラブホの上野さん)に出てくる、
「40代で、身体の関係はナシ」
という条件のパパがいたら、私も飛びついてしまう可能性は十二分にありました。
だからこそ、この記事は「私がパパ活をしていた世界線」というパラレルワールドとして読んでしまいました。
そしてそんな「私が選ばなかった世界線の私」が不幸になった結末に、拍手大喝采だったわけです。
私は私が選んだ人生を歩んでいますから、パラレルワールドの自分が幸せだろうが不幸だろうが、普段はどうでもいいです。
たらればを考えるのは無意味だと考えている派です。
でも、「選ばなかった自分」「ともすればラクに稼げてたかもしれない自分」が痛い目に遭ってくれたことで、「あ、やっぱり悪いことはするもんじゃないな」と思えたのです。
コンフィデンスマンJPと同じ面白さ
私のパラレルワールドという見方だけでなく、「目の上のたんこぶが痛い目を見る」という見方で面白味を感じる方も多いのではないでしょうか。
数年前、「コンフィデンスマンJP」という長澤まさみさん主演のドラマが流行しました。
映画が2本と番外編が製作されていることからも、このドラマがどれだけ人気だったかが分かります。
コンフィデンスマンJPでは、いつも主にズルい方法で利をむさぼる人間が痛い目を見たすえに、長澤まさみ演じる”ダー子”たちに大金を奪われることが多いです。
たまに穏便に済ます回もありましたがね
この「パパ活に潜む悪魔のような男」に出てくる復讐対象の女性たちも、法的にグレーな「パパ活」、もといエンコーによって利益をむさぼったすえに、痛い目を見ています。
そんな「コンフィデンスマンJP」的な面白さがこの記事にもあるなぁと感じました。
コンフィデンスマンJPに限らず、恵まれた人間やラクして利をむさぼる人間が落とされる話はいつの時代も人気の読み物です。
法律を守り、真面目に働いてる人からしたら、法を守らずラクに稼ぐような人は目の上のたんこぶですからね。
被害者のいないおとぎ話
こんなことを言うと、「被害者の女性もいるのに不謹慎だ!」という不謹慎厨が湧くかもしれません。でも、この記事にそもそも「被害者」なんて出てきたでしょうか?
また、私が感想を述べる中で一度も「被害者」という言葉を女性に対して使わなかったのをお気づきでしょうか。
女性は、嘘をつかれていたわけでも、モノをだまし取られたわけでもありません。
もちろん、身体の関係だって強要されていません。
望んで金品を受け取り、
いただいたお金で勝手に生活レベルを上げ、
契約が解消された
というだけです。
お金の使い道は募金や投資に使うことだってできたのに、勝手に私利私欲のために使っただけです。そして、勝手に「普通の幸せ」で満足できなくなっただけです。
私が「おとぎ話」だと面白がった理由が分かっていただけたでしょうか。
この記事から私たちが学ぶべきこと
コンフィデンスマンJPもびっくりな、壮大な金額が登場するこの記事は、私たちの生活とは全くの無縁なお話のように感じます。
でも、学べることは2つあると思います。
1. 自分の手を汚さない復讐方法
2. 後ろめたいことはするもんじゃない
学ぶべきこと①
まず1つが、「自分の手を汚さない復讐方法」。
いや、したくても真似できないよ
全く同じ方法は、さすがに資金不足で無理でしょう。しかしこの「知らないうちに上げて、知らないうちに落とす」という復讐方法は、割といろんな作品で見られます。
闇金ウシジマくんでは、主婦にパチンコ代を貸して、高い利率で返させてました。
暗殺教室では、自分の元教え子をいじめた人間にパチンコ代を渡して、パチンコしか趣味のない廃人に堕とすシーンがありました。
パチンコばっかりかよ
あとは友達のふりして近づいて、「ラクに稼げる」ビジネスを紹介するとかもよく聞きますね。
「あなたのためを思って教えてあげてる」といえば、言い逃れできます。
どれも規模が小さいだけで、「素知らぬ顔して上げて落とす」という手法は「その男」がしたことと似ています。
学ぶべきこと②
で、2つ目が「後ろめたいことはするもんじゃない」です。
闇金ウシジマくんの例では、そもそも旦那のお金でこっそりパチンコをやっていた時点でアウトだし、闇金に手を出すことも普通に理性があれば出来ませんよね。
暗殺教室の例は、いじめなんてしなければ、復讐対象にならなかったはずです。
ビジネス詐欺は、騙された側は悪くないかもしれません。しかし、「ラクに稼げる」なんて言葉を疑いもせず鵜呑みにしてしまったという点で、世間知らずのお勉強代にでもなったのではないでしょうか。
パパ活は脱税の可能性高し
パパ活は、それ自体は違法ではありませんが、まっとうな稼ぎ方とは言えません。
もちろん、「盗撮や不倫のリスクを分かった上でしている」なら問題はないと思います。
ただ、明らかに年間に数百~数千万円受け取っているので、贈与税を払っていなければ脱税に当たります。
私の感覚だけで話せば、家族でもない他人に大金を受け取るような行為は、たとえ法律の範囲内であっても気持ちのよくない行為です。そんなこと微塵も思わない人は好きにすればいいと思いますが、少しでも「後ろめたい」という気持ちがある私は、やらなくてよかったとしか思いませんでした。
「悪魔」に対する魔除け
では、こんな「悪魔」に身を滅ぼされることなく生きるにはどうしたらいいか。
それは、
「いいことと悪いことを自分の頭で考え、判断すること」
しかないと思います。
もちろん、私のように友人に相談することで分かることもありますが、最後に判断するのは自分です。
パパ活ひとつ取っても、考えるべきことはたくさんあります。
今はラクにお金を手に入れられても、将来「若さ」を売りにできなくなった自分に何が残るのか。
そもそもパパ活は一般的なアルバイトよりリスクが大きくはないか。
なぜこの男は体の関係なしに大金をくれるのか。
このことを知った家族や友人、将来の旦那さんや子どもはどう思うだろうか。
「笑顔で近付いてくる悪魔」に一番効く魔除けは、自分の頭で考え、自分に正直に生きることでしょう。
ちきりんさんの本、すごく勉強になって面白いです。