アルバム、「COSMONAUT」に収録された1曲、「angel fall」。
BUMPには珍しいゴスペル調の綺麗なメロディに、藤くんの柔らかくも力強い歌声が印象的な楽曲です。
さて、10年前に発売されたこのアルバムですが、最近まだじっくり聴いてみたんです。
10年前さんざん聴いたアルバムとはいえ、10年も経てば感じ方が変わりますね。
そのなかでも一番変わったのがこの「angel fall」でした。
作詞はボーカルの藤原基央さんです。
ひっかかったフレーズ
この曲の中で、一番ひっかかったフレーズがこちら。
栄光の中で 恥辱にまみれて
何度も壊されて
消えた小鳥の
作詞:藤原基央
最近、ネット上ではしばしば誹謗中傷が話題に上がります。
このフレーズ、まさに誹謗中傷にさらされている有名人のように思えたんです。
「BUMP自身のことなのかな…?」とも思ったのですが、消えてなんかいないし、ほかの部分で「あなた」が出てきたりなど、どうやら自分たちではなさそうなんですよね。
「小鳥=あなた」の意味するものを推測
どんな経歴だったのか
まず、先ほどのフレーズから、「小鳥=あなた」に関して次のことが言えます。
- 栄光に輝いている(いた)
- 世間のさらし者にされたり、攻撃をされていた
- 消えた=引退したか、亡くなった
さらに、そのフレーズの前の部分から、
- 騙されたり使われたりしたことがある
- 馬鹿にされたことがある
ということが分かります。
「騙される」というのは有名人であればニュースになったりしそうです。
「使われる」というのは人によってとらえ方もちがうので、情報としてはあまり重要ではなさそうです。
ただ、「馬鹿にされる」というのは少しでも目立っていれば、どんなに素晴らしい人でも経験しうることです。
なのでこの情報も、考察するうえでそこまで重要ではなさそうです。
なにで有名だったのか
そしてサビ部分では、
唄から心を 心の言葉を
作詞:藤原基央
という歌詞が出てきます。
このことから、有名人という枠の中でもとりわけ歌手やバンドマンだったのではないかと推測できます。
そして最後のサビでこのようなフレーズもあります。
光を願い 祈るように踊る
今は無い星を
作詞:藤原基央
「踊る」という言葉が出てきました。
もしかしたら歌って踊るアーティストだったのかもしれませんね。
もちろんこの部分に関しては「踊る」という言葉が「星がまたたく」ことの比喩である可能性も大きいので、少し証拠としては弱いですがね。
今は無い、消えた小鳥という表現から、亡くなっている可能性が高いです。
さすがに、引退したことを表すのに「今は無い」「消えた」なんて失礼な表現はしないはずですので…。
「僕」とのかかわり
この歌詞の中には、「僕」=おそらく藤くんとのかかわりが伺い知れる部分がいくつかあります。
届かない存在だった
冒頭のフレーズから、「僕」の先を行く遠い存在だということが推測されます。
追いかけた、ということは、「僕」にとって憧れの存在で、その人の生き方あるいはアーティストとしての何かを尊敬していたのかもしれません。
さらに近づけない、と言っています。
追いつけないどころか、近づけないほどの人物だと「僕」は感じていた。
つまり音楽界の後輩や同期などではなさそうですね。
共にした時間があった
先ほど、「小鳥=あなた」は亡くなっている可能性が高いと述べました。
さらに、ラスト部分にて、
一人減った未来を
一人多かった過去を
抱きしめた胸に 今もある星を
作詞:藤原基央
というフレーズがあります。
胸というのは「僕」の胸でしょう。
もっと言えば、「抱きしめた胸」は単なる比喩で、「心、記憶の中に大事に思っている」というような意味合いでしょう。
今「も」あるということは、一人多かった過去=「あなた」が生きていた過去を、「僕」は知っていたということが想像できます。
「あなた」はすでに亡くなっているとはいえ、それは「僕」が産まれた後のことだったことは確信が持てますね。
また、
ああ どうかいかないで
いつまでもなくならないでいて
作詞:藤原基央
というフレーズがあります。
ここ、ものすごく切ない…。
「いかないで」という表現から、リリース当時、もしかしたら「あなた」が亡くなってから日が浅いのではないかと考えることが出来ます。
子供のころに亡くなった方なら、「いかないで」という表現をするとは考えづらいです。
ところで。
この部分だけなぜか全てひらがななのです。
作詞する身から察するに、一番心の内側を正直すぎるほどにさらした部分なのかもしれませんね。
漢字を当てると、「逝かないで」「亡くならないで」でしょう。
でも、それだと直接的すぎるし、「逝」「亡」という漢字の持つイメージが少し重たいから、あえてひらがな表記にしたのだと考えられます。
ますます切ない…私も半年前に大切な家族を失ったので、この心からの祈りは痛いほどわかります。
これらのことから、「僕」は「あなた」に会ったことがあるかは分からないものの、共有している時間が多かったのではないかと推測できます。
結局「あなた」は誰なのか
以上の推測から、何となく想像はつくんです。
でも「僕」を藤くん自身だとすると、藤くんとのかかわりがイマイチつかめず。
…もったいぶらずにいいましょう。
マイケルジャクソンではないかと思ったのです。
亡くなったのも、この曲が収録されたアルバム「COSMONAUT」が発売される1年前でした。
恥辱にまみれて 何度も壊されて というフレーズも、容姿を中傷されたり、何度も裁判にかけられたりといった波乱なマイケルの人生を想起させます。
…ここまでは私の想像ですし、「こじつけだ!」と言われたらそこまでかもしれません。
誤情報をばらまくのもよくないので、念のためこの歌詞について調べたんですよ。
そしたらやはりマイケルの事だと言っている人もいました。(あくまで予想、推測なので、自己責任において検索してみてください)
とはいえ、公式情報ではないので、「正解」はBUMP OF CHICKENにしか分かりません。
「正解は分からないとか、そこらへんのまとめサイトと同じだな」と思われたら申し訳ありません…。
しかし、正解こそ分からなくても、「これってこういう意味なんじゃないか?」というのを考えて歌詞を読むことの楽しさを啓蒙出来れば、この記事にも意味があったと言えるでしょう。