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初心者は作詞本を読むべきでない?読むならどの本がおすすめ?2冊厳選して紹介します

主にPiaproにて作詞を担当し、アーティストの方にも歌詞提供をしているイツカと申します。

今回は、学生時代から50本ほど作詞をしてきた私が、作詞初心者が知りたいことを解説しています。

今回は「初心者はどの本を読むべき?」です。

結論から言うと、いちばん伝えたいことは「本を読むよりとにかく自分で書いてみることが重要」です。

もくじから気になる記事に飛べますので、必要な部分だけ読んでもOKです!

まずは本で学んだ方がいいの?

答えは、Noです。

もちろん、「本で学ぶのはダメだ!」という意味ではありません。

世の中にはとても参考になる作詞本がたくさんあります。

ですが、「これから初めて作詞をする」人にとって、本で学ぶことはあまりお勧めしません

初心者が「本で学ぶ」ことの欠点

作詞をするための教科書のような本は世の中にたくさんあり、それらはもちろん作詞経験者が書いたものです。

初心者さん

作詞の先輩が書いたんだから、役に立つんじゃないの?

そう、その「作詞の先輩」ってところが危ないんです。

例えばあなたがロックバンドを組んで、作詞を初めて担当することになりました。

その時、参考にすべきは演歌やアニソン、アイドルの作詞家ではないですよね?

つまり、「作詞の教科書」や「作詞入門」といった本から入ってしまうと、自分のイメージした歌詞が書けなくなるおそれがあるのです。

作詞のスタイルは人それぞれ

BUMP OF CHICKENの藤原さんは、「思いついたフレーズをスマホにメモしている」そうです。

「残酷な天使のテーゼ」を作詞した及川眠子さんは、「フレーズはメモしない」とおっしゃっています。

また、ロックバンドやシンガーソングライターは、作詞者の感情やできごとを歌詞にすることが多いです。

対して椎名林檎さんはインタビューで「SNSで悩んでいる方に向けて歌詞を書いている」と言っていました。

歌詞がどう出来上がっていくかは、本当に「人それぞれ」なんです

私が過去に応募したある作詞コンクールの総評で「1番と2番の文字数をそろえましょう」という指摘がありました。

しかし、大人気アーティストのあいみょんさんの歌詞は、1番と2番で文字数もメロディもバラバラなものも多いですよね。

及川眠子さんの作詞本「ネコの手も貸したい」では、全体像を先に作ってから作詞に落とし込むべきと書かれています。

ですが、私は「サビ」を作ってから1番2番のAメロ、1番2番のBメロ・・・という風に作る方法がやりやすいです。

要は、作詞の仕方にルールなどないんです。

作詞の右も左も分からない段階で「作詞の仕方」を学んでしまうと、そのルールにがんじがらめになって作詞が苦痛になってしまうこともあります。

歌詞の書き方も人それぞれ

歌詞の書き方言葉の選び方にだって、ルールはありません。

いじわるに「本当に歌詞はなんでもいいのか?」と聞かれたとしても、「はい」と答えます。

Superflyさんの「Ah」という曲は、歌詞が「あ」のみですが、曲として美しく成立しています。

「ポケモン言えるかな?」は、ポケモンの名前を列挙しているだけですが、私世代のポケモン好きはみんな歌えます。

日本語だけでなく、外国語を盛り込んでもいいです。

moumoonさんは英語やフランス語がときどき登場します。

ここには書けない(ブログがBANされちゃうからね!)ほどの汚い言葉や危険な思想を盛り込んだものだって、歌詞なら許されちゃうんです。

尾崎豊さんの「十五の夜」の有名なサビは、もはや犯罪ですからね。

【結論】自分に合った書き方を見つけることが最優先

大切なことは、①「どんな歌詞が書きたいか」を知ることと、②「自分の作詞スタイルを確立」することです。

作詞初心者が、本を読むより先にすべきこと

「どんな歌詞が書きたいか」考える

 ⇒目指したいアーティストの曲を沢山聴き、どこが良いと思ったのかを分析する

「自分の作詞スタイルを確立」する

 ⇒まずはノートやパソコンに歌詞を書いてみて、「恥ずかしい出来」を卒業する

「どんな歌詞が書きたいか」を考える

こちらは、目指したいアーティストの曲を聴き、分析することで見えてきます。

どのフレーズが良いと思ったのか、どんな構成になっているのか、メロディに合う言葉の載せ方など、「こんな歌詞が書きたい」というポイントをまず抑えてみてください。

私はめんどくさいやり方ですが、いったんノートに歌詞を全て写し書きして、「1番と2番が対応している」「脚韻(文末で韻を踏むこと)」などのメモを付けて分析しています。

・・・その分析結果をこのブログに「歌詞考察」として載せているので、分析のしかたの参考にしてみてくださいね。

「自分の作詞スタイルを確立」する

こちらは、もうとにかく歌詞を書いてみるしかないです。

私も、初めて書いた歌詞はひどい出来で、ものすごく恥ずかしかったです・・・(笑)

でも、楽器にしろ歌にしろ、練習しないと「恥ずかしい出来」からは抜け出せませんよね。

作詞も同じです。

「普段日本語を話しているんだから書けるはず!」と思われがちですが、「メロディに乗せて違和感のない歌詞」を作るって案外難しいんですよ。

「恥ずかしい出来」から「これなら人に見せられるな」というレベルになるまで、ひたすら1フレーズだけでも書いてみましょう。

どうしても本が読みたい人へのおすすめ

「どうしてもまずは本を頼りたい・・・」
「何を書きたいとかも分からない・・・」

そんな人もいるかと思います。

先ほど私は「本を読んでルールにがんじがらめになることを恐れている」と言いましたが、では、「作詞の仕方」が書かれていないものを読めばいいのでは?と思います。

実際に私が読んだもので、「これは初心者の方にも読んでもらいたい」と思った本を紹介します。

”作詞のことば 作詞家どうし、話してみたら”

作詞家の岩崎祐穂さんと5人の作詞家さんの対談が本になったものです。

作詞家の方がどんな気持ちで歌詞を書いたのかが学べる本なのですが、「あ、作詞って自由なんだな」ということが体感できると思います。

作詞の自由さを身をもって知ることで、「作詞」に対するあなたのハードルを下げてくれるはずです。

チャットモンチーが好きだった私にとって、ドラムの高橋さんのお話がとても興味深かったです。

有名な「シャングリラ」の、ゆる~い誕生秘話を知ることができました。

”心をつかむ 超言葉術”

コピーライターの方が書いた本なのですが、作詞にあたって必要な考え方もたくさん書いてあります。

作詞は「ひとことで言えることを長文にする」ものだとも言われますし、「思いの丈を短く伝える」ものだとも言われます。

例を挙げると、前者は「好きな人」を「想像する未来で、いつも私の隣にいる人」と言ってみたり、後者は「いろんなことがあったけど、今はいっしょにいる」ことを「花束の二人」と言ってみたりですかね(今考えました)。

それって、どちらもコピーライターの考え方と似ているんですよね。

実際、作者の阿部さんは、歌詞を提供したこともあるそうです。

作詞初心者には、固いルールなんかよりも、柔軟に言葉を操る力を身に着けることが最優先だと思います。

今回は、「作詞初心者にとって、作詞本で学ぶことはおすすめしない」ことについて解説してみました。

これからも、初心者が作詞をするうえで大切なことや、作品の言葉の読み方を発信していきます!

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