9/29の夜10時。
ポケモンのエキスパンションパス第二弾の情報解禁と共に突如発表された、BUMPとポケモンのコラボ曲「アカシア」。
個人的な話、私は物心ついた時からポケモンが好きで、かつ人生の半分をBUMPファンとして過ごしてきました。
「アカシア」という楽曲を、ポケモンファンとして、BUMPファンとして、私の解釈や考察をしてみました。
”4人で”の持つ意味
BUMPの「4人」
BUMPファンでなくとも、先日のチャマ(ベース、グッズ、主なMC担当)の脱退報道には驚きと落胆を隠せない方も多いでしょう。
スキャンダルに脱退と、BUMPファンにとって悲しいニュースが続いた9月の最後に、素敵なコラボ楽曲と映像を届けてくれました。
ただやっぱり、4人揃ったBUMPから届けられたものでないという事実には、少し複雑な気持ちが入り乱れているのも正直なところです。
ポケモン赤緑の「4人」
こちらは私の好きなポケモン実況者さんのツイートです。
BUMP×ポケモンの映像、元ネタは赤緑のテレビ映像だけど、さらにその元ネタはSTAND BY MEって映画でポケモンの冒険イメージのコンセンプトに影響を与えまくってるやつだから、そこを最初に持ってくるのスゲーインパクトあったね
ワナ(実況者)さん (@game7400)
ポケモン赤緑版で、当時こどもだった私には意味が分からなかったセリフだったのですが、こんな元ネタがあったんですね!!
とすると、冒頭の「男の子4人が線路を歩く」シーンはBUMPの4人をイメージして作られていたのかな、なんて考えてしまったりもします。
こんな時、Twitterではしゃぐのはメンバーで唯一個人アカウントを持つチャマでした。
ポケモンが好きなBUMPメンバーと一緒に、いつもみたいに喜んではしゃいでいたかった、というファンも多いんじゃないかなぁ…(私)。
”目が合えば”の考察
1番のこのフレーズでは、ポケモンに関する3つのことを思い起こしました。
ゲーム内のトレーナー
ポケモンゲームは、「目が合えば勝負!」の世界です。
…正確には、NPCの視界に入ったら問答無用で勝負開始、ってとこです。
言葉を介さずとも、ポケモントレーナー同士目が合えば勝負をする。
そうやって切磋琢磨し合う世界なのです。
勝負と言っても、勝負を仕掛けてくるときのトレーナーのセリフは、たとえ悪の組織であっても「フフっ」と笑えるものも多く、「目が合えば笑うだけ」という優しい空気感を含むフレーズにマッチしている感じがしました。
アニメポケットモンスターのOP「ライバル!」
タイトル通りライバルとの関係を描いた歌詞です。
中でも1番サビを想起しました。
ライバルと戦って、勝って喜んだり負けて悔しがったり。
切磋琢磨の末に、今は笑いながら話ができるというトレーナーの関係が瑞々しいです。
歌詞のなかの「君」「僕」がトレーナー同士のことだと解釈するならば、「ライバル!」という楽曲はこの「アカシア」にとても感覚が近いのではないでしょうか。
「僕」と「君」をポケモンとトレーナーだと解釈
ポケモンは(基本的に)人の言葉を話せないけど、トレーナーとは笑顔で通じ合っているとも解釈できます。
1番では「言葉の外側で」というフレーズに続きますしね。
アニメでも、自分のポケモンの言葉はトレーナーが理解しているような描写が多いです。
最近はゲームでも「なかよし度」によってポケモンと意思疎通しているような表現が見られます。
このフレーズでは自分の育てたポケモンとの関係を想起させられてほっこりしますね。
“太陽”の考察
「太陽」「光」「陽だまり」という言葉は、さまざまな比喩表現としてよくBUMPの楽曲に登場します。
「アカシア」に出てくる「太陽」は、「先を照らすもの」として出てきているようです。
1番では雨、2番では暗闇といった、マイナスイメージへの対比として太陽が登場しています。
とはいえ、雨や暗闇も絶望のようなマイナスではなく、その中で「騒ぎながら」「ふざけながら」と、明るく乗り越えているさまが伺えます。
「スノースマイル」のサビ直前のフレーズを思い起こしました。
ただ「先を照らすもの」の比喩としての太陽が直接登場するというわけではなく、太陽「の代わり」という登場の仕方をします。
「君」と「僕」の強い絆を表現するための大きな輝きとしての比喩が太陽とは、また壮大なものを持ってきましたね…。
1番2番のこれらのフレーズを簡単にまとめれば、
雨や暗闇といった困難の中を、先を照らしてくれる太陽がなくても、君となら楽しんで歩いていける。
といったところでしょう。
こちらも、現実世界に当てはめても、ポケモンで当てはめてもしっくりきますね。
”君の1歩”と”足跡”-2つの解釈
ここも、スノースマイルの「足跡の平行線」というフレーズを思い出しました。
寒くなってきたし…
基本的に歩幅の大きさの違いというのは、足の長さ、背の高さの違いです。
ここも2つの意味で解釈しました。
「実際の歩幅」での解釈
比喩ではなく、実際に「君」の1歩が「僕」の1歩より大きいのだとしたら、「君」は「僕」より大きな人であることは間違いないです。
ここでの「僕」や「君」(歌詞全体としても言えますが)は、「トレーナー」と「パートナーであるポケモン」としても解釈できます。
人間より大きなポケモンも、小さなポケモンもいます。
1番有名なピカチュウは、サトシよりも小さいですよね。
歌詞に二人を当てはめるならば、「僕」はピカチュウ、「君」はサトシと解釈できるわけです。
またカビゴンとサトシだったら、「僕」はサトシ、「君」はカビゴンでもいいわけです。
この歌詞ではあまり「君」と「僕」に明確な差異はなく、まとめて「僕ら」の歌のように感じるので、どちらが君で僕なのか、というのはそこまで重要ではないでしょう。
成長度合いや成績などの比喩
「君」の1歩が「僕」より遠い、という表現は、「君」の方が「僕」より器用で才能があるように感じさせます。
同じことをしても、「君」の方がより成長しているようなイメージですね。
「僕」の足跡が「君」より多いというのは、同じ場所にたどり着くまでに「僕」の方が試行錯誤し苦労したような印象を受けます。
この「歩み」を、これらのイメージで考えると、歴代のアニメやゲームでのライバルたちを想起させます。
私の中では、ゲームだと初代のグリーン、金銀の???(シルバーというらしいですが、私は「???」という名前に思い入れがありこう呼んでます)、BWのチェレンやベル、剣盾のホップやビートにピッタリだなぁと感じました。
特にそれぞれのキャラクターの個性が際立っていた最新作「ソードシールド(剣盾)」では、チャンピオンとして称えられるダンデを兄に持ち、その兄を、自分と同時に旅立った主人公が先に破ったという、想像するだけでもかなりつらい経験を持つホップくんのイメージが強いです。
勇気をもらえるフレーズ
現実に考えてみても、なんだか勇気がもらえるフレーズです。
噛み砕いて整理すると、
君の方が器用で、なんでも上手くこなせてしまう。
でも僕はその分、一つのことを達成するのにいろんな試行錯誤をしている。
どっちがすごいとかではなく、どっちもすごいところだ。
といった感じです。
どうしても人と比べてしまうことがあるけど、見方を変えればいい発見がある、なんてこともよくありますもんね。
私は何をやっても人並み以下にしかできないタイプなんです。
でもこのフレーズを聴いて、
「人よりうまくできないからこそ、人よりたくさん頑張ったんだ」
と思えました。
本当に勇気をもらえるフレーズです。
BUMPの歌詞は勇気をもらえるものが多いですが、今回もまたステキなフレーズで溢れています。
特にポケモンという世界中で人気のコンテンツとのコラボMVによって、歌詞の与えるパワーが増幅されていますね。
特に私のように、ポケモンもBUMPも尋常じゃなく好き、という人は言葉にならない感情を抱いたのではないでしょうか。
「アカシア」をライブで聴ける日が来るのを楽しみにしています!