2010年リリース。「キラッキラ日差しを浴びて~」で有名なこの曲。
資生堂の日焼け止め「アネッサ」のCMソングで、moumoonの知名度を一気に上げた楽曲です。
作詞は、ボーカルのYUKAさん。MVで歌っている方です。
リリースからもう10年経ちましたが、夏には毎年聴きたくなる魔法のような曲です。
大人になってみて、ふとSunshine Girlの歌詞を分析してみると、今まで気にしていなかった歌詞の良さに気付きました。
4つの観点から紹介してきます。
ポジティブな変化を予感させるモチーフ
1番のAメロです。
曲がり角を照らすビビットなSky
いつもと違うにおいの風吹きぬけて
作詞:YUKA
「曲がり角」は、曲がるまで先に何があるか分からない状態です。
そこを、ビビット=鮮やかな空が照らしている。
そしていつもと違うにおいの風が吹いている。
想像しただけで「ポジティブな変化を予感させる」歌詞ですよね。
そもそもmoumoonの歌詞には
「チョコレート」「月」「フラワー」など
可愛らしかったり明るいイメージのモチーフが用いられることが多いですね。
この歌詞でも、単に
「いつもと違うにおいの風」
だと良い変化なのか悪い変化なのか想像しづらいところですが、
ビビットなSkyが照らしていることが描かれているので、
いい方向に向かっていることが想像できます。
ポジティブな身体的変化
1番と2番のBメロです。
背筋しゃんと伸ばした その分だけ
作詞:YUKA
口角きゅっと上げて その分だけ
作詞:YUKA
「背筋を伸ばす」も「口角を上げる」も、ポジティブな行動ですね。
前を向き、先を見通そうとすると、背筋が伸びます。
口角を上げる、はそのままですね、笑顔になった様子です。
逆に、背筋を伸ばすと脳の思考パターンも「未来」のことに向きやすくなるそうですよ。
口角を上げる=笑うことでも、脳が活性化されます。
先ほどはビビットなSkyが照らしているという受動的な描写でしたが、この部分は能動的な描写。
明るい日差しの中、自分からも前向きに行動を変化させていることが分かります。
過去、今、未来の描写
実はこの歌詞は「過去、今、未来」の描写がちりばめられています。
まずは2番のAメロ。
振り返れば→過去
毎日前にちゃんと進んでいる→過去~今
「過去を振り返る」と言うとネガティブな印象を受けがちですが、
「私も毎日前に~」
というフレーズのおかげで
「積み重ねてきたものを見つめている」んだな
ということが分かります。
ただ前向きに生きているだけだと、
「まだこれしか出来ていない…」
って感じてしまうことがありますよね。
私は今年に入って簡単な日記を付け始めたのですが、日記を振り返ることで
「1か月前はこんなことも知らなかったのに、今では簡単にできるな」
などと自分の成長を肯定的に見ることができてます。
次にラスサビ前のCメロ。
この瞬間/今、会いたい→今
いつまでも/ずっと/前を見て→未来
先ほどの2番では「過去~今」の描写がありましたが、
こちらのCメロでは「今~未来」の描写がなされています。
「毎日前にちゃんと進んでいる」ということからも分かりますが、
「今」をとても肯定的に捉えています。
メルシー=merciはフランス語で「ありがとう」です。
ちなみにmoumoonのmouもフランス語で、「やわらかい」という意味です。
今会いたいと思える人がいることに感謝、ということでしょう。
「いつまでもこのままがいい」と思えていることからも、
今までちゃんと前向きに進んできた結果、
今とても幸せを感じていることが分かります。
だからここでも「そしてまっすぐに前を見て」と、
また今までと同じように前向きにポジティブに、背筋を伸ばして進んでいきたい、ということですね。
4.キラッキラなワードチョイス
サビのド頭、そしてCMの冒頭バスドラ後からふんわり入り込む
キラッキラ~日差しを浴びて~♪何やら英語~
&YUKAさんの優しい声&蒼井優
は、とてつもなく「綺麗!かわいい!女の子の夏!」という印象を日本中にまき散らし、2010年の春夏はいつでもどこでも、特に女性のアパレルショップで流れていました。
「何やら英語」とは書きましたが、実はほとんど中学生でも分かるようなワードチョイスなので難解さもなく、幅広い年代に支持される曲となりました。
全体を聴いてもキラッキラなワードチョイスは顕著で、
「holiday」「party」「ビビットなSky」
「はしゃいだ者勝ち」「ハッピーとラッキー」
「おもちゃ箱」「ドキドキ」
などなど、聴くだけでワクワクするようなワードは枚挙にいとまがないほどです。
moumoonは聴いているだけで幸せになれる歌詞や切なくなる歌詞が多く、曲の雰囲気だけでなくぜひ歌詞にも着目していただきたいアーティストさんです。