この曲がリリースされた時、私は中学生でした。
歌詞、全然わからなかった・・・。
なんか、HAPPY BIRTHDAYのHAPPYは「生きてることがHAPPY」ってことはラジオとか聴いて悟ったんですけど。
冒頭にも「大人になって」という言葉があるように、私がこの歌詞が分かるようになったのは大人になったつい最近でした。
昔の自分に届くように、この歌詞の意味を解説していきたいと思います。
1番
Aメロ
健康な体があればいい
大人になって願う事
作詞:藤原基央
心の弱さは大人になってもあんまり変わらないものですよね。
せめて体が健康に動いてくれれば生活していける。
弱い心も、体まで弱ってるとさらに弱くなってしまうし。
みんな同じなんだなぁ。
少年はまだ生きていて
命の値段を測っている
色々どうにか受けとめて落書きの様な夢を見る
作詞:藤原基央
命の値段っていうのは、生きる価値とか意味とかですかね。
あるいは、生きるのに必要なお金とか。
「命」をつなぐ上で、受け止めるのは本当にいろいろですよ。
悲しい事とか、理不尽なこととか、物を知れば知るほど「なんでこんな世の中なんだろう」と思わされることも多いですからね。
嘆いても妬んでも過去は変えられないし、
現実や限界をを知れば知るほど、希望や夢も減っていくし。
今ある体の今ある頭で
「色々どうにか受け止めて」生きていくしかない。
これは大人になって気づくことですよね。
Bメロ
優しい言葉の雨の下で
涙も混ぜて流せたらな
片付け中の頭の上にこれほど容易く日は昇る
作詞:藤原基央
歌詞がちょっと明るくなりました。
世の中優しい言葉が溢れています。
優しい言葉に便乗して悲しいという感情も流せたらいいな、ということでしょう。
「これほど容易く」とありますが、その通り。
理不尽なこととか、「色々どうにか受け止め」たことで片付け中=ごちゃごちゃしてしまった頭でも、案外簡単に元気になっちゃったりするんですよね。
それは友達の励ましだったり、虹を見つけた時だったり、本当に簡単なきっかけで。
気分の問題なのか、体調の問題なのか。
夜も耐えきれないほどごちゃごちゃ悩んでたのはなんだったのか…と思ってしまうほどです。
サビ
悲しみは消えるというなら
喜びだってそういうものだろう
誰に祈って救われるつぎはぎの自分を引き摺って
作詞:藤原基央
ここ、昔聴いた時は割と「絶望」みたいなことかなと思ってたんですけど、今思うといい意味で「諦め」に感じます。
逆説的ですが。
悲しみはいつか消える。
今ある喜びも、いつか消える。
喜びを素直に感じられない時、そういうもんだから、って、大人になって諦められるようになってきますよね。
心をいちいち傷つけないためにも、諦めって大事だと気づきました。
闘う相手さえ解らない
だけど確かに痛みは増えていく
作詞:藤原基央
教わらなかった歩き方で 注意深く進む
勝ち組とか負け組とか。
ずるいとか羨ましいとか。
それって結局何と競っているんだか。
・・・人生、よく考えたら別に何と闘ってるわけでも、闘わなきゃいけないわけでもないんですよね。
だから歌詞の中の「闘う相手さえ解らない」は間違っていないし、そもそも闘う必要もないのだから、「相手さえ」なんでしょうね。
それでも、闘うべきかも、誰と闘ってるのかもわからないのに、なんか心の痛み苦しみは増えていく一方で。
正しい生き方なんて教わってこなかった。
そもそも正しい生き方なんてないし。
だから結局人と比べたり、他人の顔色をうかがったりしつつ、自分の感情を注意深く照合しながら生きてくしかすべがない。
それが大人なんだなぁ…。でも気づけることでちょっと楽になれた気が。ちょっとね。
2番
Aメロ
膨大な知識があればいい
大人になって願う事
心は強くならないまま守らなきゃいけないから
うたまっ作詞:藤原基央
中学生の私:
「えーおべんきょうなんてもういいよー」
大人になった私:
「うんうんうんうんそうそうそう」
強くなれない心を守るのって、平たく言えば知識なんですよ。
もちろん自分の地位を上げるための知識があれば弱っちい自分にさよならできる、っていう人もいるだろうし。
そうじゃなくても、いろんな考え方や生き方、幸せの感じ方を多角的に見れるための知識やそこから派生する知恵が、自分の弱い心を守る術である、と、大人になってめっちゃ思いますね。
簡単な例えだと、恋愛。
生物的な男性と女性の本能の違いという知識があるだけでもだいぶ分かり合えるし、傷ついたり傷つけたりすることもだいぶ減るはずです。
詳しく書きません、賢者タイム…とか…。
少女はまだ生きていて
本当の事だけ探している
笑う事よりも大切な誰かの手を強く握って
作詞:藤原基央
ここで「少女」が出てくることで、1番の「少年」が、恐らく作詞者である藤くんのことではないことが分かります。
一般的な、リスナーのことを指してる歌詞だと私はここでハッキリしました。
(この後魔法の料理がリリースされたから直感的に「藤くんの歌なのかな」と思ってましたが、この部分で違うかもと思えたのです)
「少年/少女はまだ生きていて」から、結局大人の自分は子供の自分の延長だという印象を受けますね。
ところでこの部分、めちゃくちゃ抽象的ですけど、なんか具体的じゃないですか?
誰かのことを言っているんだろう…。
笑う事は人生においてすごく大切な行為であると思いますが、それよりも大切な「誰か」の手を引いて「本当の事」だけ探している…。
なんだろう。
一時的な喜びよりも、本当に信頼し合える大事な人が一番大事、と解釈しましたが。
多分私の人生経験が足りないがゆえ解釈が難しい部分です。
なんかご意見があればぜひとも教えてください。
Bメロ
優しい言葉の雨に濡れて
傷は洗ったって傷のまま
感じる事を諦めるのがこれほど難しい事だとは
作詞:藤原基央
ここはもう、おおって感じですね。
辛い感情を「感じない」って言わずもがな、難しいです。
「気にするな」「忘れよう」って言われたって、難しいですよ。
どんな優しい言葉で傷を慰めても、消えることはなくて。
サビ
終わらせる勇気があるなら
続きを選ぶ恐怖にも勝てる
無くした後に残された愛しい空っぽを抱きしめて
作詞:藤原基央
この部分、「同じドアをくぐれたら」にも似たような意味で有名な歌詞がありますね。
手に入れる為に捨てるんだ
揺らした天秤が掲げた方を
作詞:藤原基央
人生は一回しかなくて、それも全部一直線だから今日は昨日の続きにしかならない。
薄給OLが急にイギリスの女王にはなれない。
しかも、自分は1人しかいないから、何かを選んだら何かを終わらせるしかない。
いい例えかは分かりませんが、社会人になったら学生ではなくなるんですよ。
夜間学校に通うツワモノもいますけど。
自由な時間が多く、有意義か無意味かも分からないフワフワした独特な時間は「卒業」を経たらもうないんです。
でも、今日は昨日の続きだから、終わらせて無くなった未来や夢見た日々は無くならない。
そんな「空っぽ」を抱えて、また他の道を選んでいくことができる。
それは転職だったり恋愛だったり住んでる場所や生活だったり。
夢見たり悩んだり努力していた時間は、終わったら無くなるのではなく「空っぽ」が残る。
その空っぽって、本当に愛おしいですよね。
どうせいつか終わる旅を
僕と一緒に歌おう
Happy birthday
作詞:藤原基央
いつか終わる、つまりは「命が終わる」ということでしょう。
別に自分1人で生きていかなきゃいけないわけじゃない。
というか無理。
月並みだけど、支え合ってしか生きていけない。
逆に言えば、支え合ってでも生きてさえいればいいと。
その「借り物の力」として「一緒に歌おう」と言ってくれているのだと思います。
あーーーBUMPのライブを思い出すなーーー!
BUMPさん、元気ですか…?
ラスト
Bメロ
優しい言葉の雨は乾く
他人事の様な虹が架かる
作詞:藤原基央
なんか食おうぜ そんで行こうぜ
これほど容易く日は昇る
そう、案外からっと立ち直っちゃうんです。
「雨はいつか止んで虹がでるよ」そんな励ましがよくありますが、この「他人事の様な虹」の方が捻くれてる人間にはしっくりくる。
別に虹も私のために出たわけじゃないし。
でもそんな偶然で元気になったりする。
「なんか食おうぜ」そんな励ましでもなんでもないただそこにいるだけの友人の存在にどれだけ励まされてきたことか。
サビ
悲しみは消えるというなら
喜びだってそういうものだろう
誰に祈って救われるそれよりも大切な手をとって
作詞:藤原基央
勝ち負けの基準も解らない
だけど確かに守るものがある
教わらなかった夢と共に少年は大人になった
作詞:藤原基央
なにか高尚なものや人や言葉に頼らなくても、大切な人がいてくれるだけでHAPPYになれる。
勝った負けたは分からないしどうでもよくて、そんなことよりも、守るものがある。
「夢を持ちましょう」みたいな授業があったりするけど、本当に大事な夢見るべきものは教わらないまま。
でも、何かを目指してとかじゃなく、守るものができたっていうのは大人になった証拠なのかも知れません。
それは自分の心だったりプライドだったり、友人だったり家族だったり。
夢があるのも素敵だし、それを叶えたら確かに勝ちなのかも知れない。
でも、大人がHAPPYに生きていく上で大事なのは、自分を大事にすること、守る人やものがあることなのかも知れない。
続きを進む恐怖の途中
続きがくれる勇気にも出会う
作詞:藤原基央
さっきの続きですね。
結局、続きを「進む」のも恐怖。
終わらせるのも恐怖だし、何かを続けていくのも恐怖。
でも、続けていくことで自信がついて何かをする勇気にも繋がる。
あれ、終わらせることも続けることも、そこに鼓動が、意思があるなら勇気や自信になるんだ。
BUMPの歌詞優しいな…(知ってた)
生きます…。
消えない悲しみがあるなら
生き続ける意味だってあるだろう
作詞:藤原基央
どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう
最後にでかい「優しい」を置いていきました。
大事な人がいる幸せ、
終わりや続きを選んだ勇気、
終わっても「空っぽ」が「在る」こと、
そんな素敵なことに気づかせてくれる優しい曲をくれるバンドに出会えたことも、HAPPYということですね。