2021年4月5日から始まったドラマ「珈琲いかがでしょう」。
中村倫也さん主演とのことで、しかも原作ファンいわく「中村倫也がはまり役!」とのことで、観るっきゃない!と思って見始めましたが…
1話目にして、「当たり」を確信。
今のところ1話完結型なので、見逃した方もぜひ来週から観てみてください!
1回の放送でお話が2つあり、青山(中村倫也さん)が経営する移動型カフェ「たこ珈琲」が行く先々での人間ドラマが主軸のようです。
…「ようです」というのは、まだ謎の部分も多いんですよね…磯村隼人くんは、何?
この先はネタバレ有となりますので、「これから1話見てくる!」という方はご注意を!
-1. 人情珈琲
あらすじ
丁寧に、誠実に。
それらをモットーに、いや無意識に身に付いてしまって生きている垣根(がきね・夏帆さん)は、上司に「そういうのいらないから。」「仕事が遅い」と言われてしまいます。しかも後輩の馬場(ばば・足立梨花さん)を見習えなんて言われ、落ち込んでしまいます。
丁寧に誠実に。
ずっとそうしてきたけど、相手が必要としてないなら、無意味なのかも
上司にコテンパンにされ、プライドズタズタな垣根のセリフ。
そんな時に出逢ったのが、青山(あおやま・中村倫也さん)の経営する移動型カフェ「たこ珈琲」。手で丁寧に淹れたコーヒーは、提供に時間がかかっても味は絶品。垣根は青山のコーヒーの虜になりました。
丁寧にやってれば、こうやって美味しいって飲みに来てくれるお客様もいらっしゃいます。
垣根に優しく語り掛ける青山のセリフ。しかも中村倫也さんの声ですよ!
そしてある日。
丁寧・誠実をバカにしていた馬場が仕事でやらかしてしまいます。そのおわび状を依頼された垣根は、いつものように手書き・・・ではなく、パソコンで「効率よく」メッセージを打ち込みます。
すると突然社長がやってきて垣根を呼びました。
招待状を出したいが、宛名を垣根に書いてほしいと社長直々にお願いしに来たのです。
理由は、
「垣根さんの字が一番きれいだから」
そして、
「お客様に喜んでもらいたいから」。
社長は「あなたの字は素敵ですよ」と続けます。さらにさらに、「ゴマ商事の方が、垣根さんの手書きのお礼状をいつも楽しみにしている」ということを告げました。
あんなに綺麗な字を書く人は、きっと綺麗な人に違いない。…これってセクハラか?(笑)
この社長の言葉で、「手書き」を見くびっていた上司はたじたじ。垣根は信じられないような顔をしつつ、嬉しそう。
その夜、垣根がたこ珈琲にいると、馬場がコーヒーを飲みに来ました。
違うんですね。適当に旨いのと、本当においしいのと。
青山の「丁寧に淹れた」コーヒーを飲む馬場のセリフ。
そして馬場は、垣根に自身のことを打ち明けます。思い通りの20代じゃなかったこと。垣根さんの「丁寧に暮らしてます」感が鼻についていた。実家も散らかり放題だったそうで、靴の汚れなんて気にしたことがなかったから、垣根に靴を指摘されたことがイラっとしてしまったようです。
垣根は、祖母が厳しかったからきちんとしてないと落ち着かないという。何をやるにも一歩羽目を外せないのが悩みだったと話します。明るくて人気者な馬場さんが羨ましかったことも告げます。
人って、話してみないと分からないものですね。
馬場さんのセリフ。
丁寧に話を重ねることで、初めて分かることもあるんですね。
感想
いやー中村倫也さん最高!
私は仕事が雑な自覚があります。大雑把で、ミスも多い。
でも、言葉は大切にしていて、メールはよく褒められるんです。絶対意図が通じるように。絶対困らせないように。無意識に丁寧になっちゃうから、時間がかかるんですよね。
そんな丁寧なメールを送っていると、ドラマでの垣根のようにいいこともあるんです。「ありがとう」と言ってもらえたり、「すごく分かりやすいです!」と言ってもらえたり。予想だにしない知識をもらえたりもします。
ドラマでの社長のように、見てる人は見ています。いいことも、悪いことも。もちろん締め切り厳守ですが、なにごともちょっとずつ丁寧にやってみようと思えるストーリーでした。
しにたがり珈琲
あらすじ
あたしの特技、それは、ただただ心を無にして謝ること。
冒頭の早野の言葉。
コールセンターで働き、暴言を浴びて謝ることに慣れてしまった早野(はやの・貫地谷しほり)。
休日のある日、彼女の住むアパートの真下に「たこ珈琲」がやってきました。…と、青山がふとアパートを見上げると、「こんな日は、しにたくなる…」と呟く早野と目が合います。
風で早野の洗濯物が飛んで行ってしまい、落ちたのはたこ珈琲のトレーラーの上。急いで降りてきた早野は、ご迷惑のお詫びにと「たこ珈琲」でコーヒーを注文することにした…のですが、さんざん悩んだあげく「ニュートラルな」カフェオレを注文します。
お待たせいたしました。”深煎りブレンドで淹れた”カフェオレです。
青山はコーヒーにこだわりがある様子。
カフェオレを飲みながら笑い出した早野は、「もうしにたい」と呟きます。つらいことがあったのかと問う青山に、早野は「ないんです。しにたくなるようなドラマティックなことがないのがつらいというか…」と答えます。
…なんか分かる気もする。
いつでも無難をチョイスしてしまい、これからもカフェオレのように没個性に生きていくだろうと憂慮する早野。
カフェオレは、没個性なんかじゃないですよ。
同じ豆でも、飲み方はいろいろ、個性もいろいろです。
青山のセリフ。励ましているのか、反発しているのか…。
そして青山は「冒険してみます?」と言って早野をトレーラーに乗せ、早野のアパートの裏のインドカレー屋に連れて行きました。
インド人店主にカレーの辛さを聞かれ、「激辛」を注文する青山。「また無難に中辛ですか?」と青山に煽られ、早野も激辛に挑戦します。おそらく初めての激辛カレー。早野は「おいしい」と顔をほころばせました。
うちの近くに、こんなお店があるの知りませんでした。
早野が必要最低限に、無難に無難に、生活していることが分かるセリフです。
早野は青山に「謝ってばかり」の自分の人生を語ります。すると青山は「隠し味」をひとつまみ入れたカフェオレを早野に差し出しました。そのカフェオレは、さっきと全然違う味。「隠し味」の正体は、ガラムマサラだったのです。
こんなに味変わるなんて。たった一振りなのに…。
メリーポピンズにもそんな歌がありますね。
少し違うことをしてみるだけで、人生は変わるんだと早野は悟ります。まずは思いっきり原色の靴下を買ってみると決意したのでした。
感想
インドカレー屋がおしゃれ~!
このお話はまさにメリーポピンズの「お砂糖ひとさじで」。つらいことも面倒なことも、少しの工夫で楽しくなるという歌です。まぁメリーポピンズの場合はガチの魔法を使っちゃってますが。
ちょっといつもと違う場所に行くだけで、おいしいお店に出逢えた。
ほんのひと振り加えただけで、全く違う味になった。
そもそも、お詫びだとしてもコーヒーを注文してみたのだってちょっとした冒険ですよ。
魔法なんて使えなくても、いつもとちょっと違うことをしてみれば、人生は思わぬ方向に動くものですね。