「たりないふたり」はアルバムの表題にもなっています。
元ネタは南海キャンディーズの山ちゃんとオードリーの若林さんのバラエティのタイトルです。
クリーピーナッツのライブ映像とか見てると松永さんの演奏もRさんの歌声も楽器のようで、観ても聴いても面白いですよね。
「ぬえの鳴く夜は」で「楽器一つも弾けない」というワードが出てきますが、バンド大好きマンの私としては2人だけのステージでこんな盛り上がれる演奏が出来るってすげぇなと思っちゃいますよ。
以下、歌詞の感想です。
調子どない 悩める多くのマイメン
今すぐOpen Your Eyes
興味のない どころかホント嫌い
飲み会 オフ回 女子会
「そうですか、分かります、
そうです。ハイ!」
としか言えない上司とか
教祖みたいな先輩に愛想笑い
でも誰よりプライド高い
作詞:R-指定
歌詞カード、「オフ回」ってなってるけど誤植?
このあともそうだけど、「そ、そうですか」って唄い方が陰キャっぽくて、いい。
上司とか先輩に合わせて否定せず聴いてあげてるのに心の中ではバカにしてる感じですかね。
逆に言えばプライド高い癖にちゃんと合わせてあげてるとこが周りの目気にしてて可愛いですね。
私は先輩にも上司にも楯突いちゃうんで…
ボ ボンボクラ 女の子が怖い
てか普通に目見れない
ようしゃべらん どもって情緒不安定
誠に申し訳ない
大きな声で 騒ぐ陽気なタイプとは
仲良くなれそうもない
だってあいつ等 空気読み合い
ウェーイが飛び交い
まともな 脳みそない
作詞:R-指定
ボンボクラ、こないだ関ジャニの昼番組で「アフリカの踊り」みたいに紹介されてました。
いろいろ意味はあるみたいなのでそこは調べてみてください。
NGワードだったりもするので…。
だってあいつ等 空気読み合い ウェーイが飛び交い
めっちゃわかる。
私の大学は日本でも有数のチャラチャラが集まる大学で、そんな大学の飲みサーの新歓に行ったことあるけどほんとしょうもない。
※飲みサー:テニスサークルなどと銘打った団体で、実態は飲み会しかしてないチャラ人間達がモラトリアムを消費する魔窟。頭空っぽな分、マルチ集団よりはよっぽどマシという見方もある。
会話が人間的でないというか、異性をめちゃくちゃ意識してるなって感じがすごくてまともな会話した記憶がないです。
一部まともな先輩たちが「騒ぐだけ騒いで会話しないで、あいつら何が楽しいんだろうね」って新入生の私に言ってきたのが印象に残ってます。
からの
まともな 脳みそない
↑ここ好きです。ていうかみんな好きね。
I Don’t Give a F uck
苦手なアウトドア 俺 お家でぼーっとしたい
映画見たい マンガ見たい 本読みたい
でも交尾したい
もーうるさい 1個も良いとこない
エブリデイ エブリナイト 使えない
どうしようもない 友達 超少ない
さみしい いや そーでもない
(Alright!)
作詞:R-指定
Alright!
じゃねえwww
ここめっちゃわかります。
アウトドアくそダルい。
というかアウトドアが趣味な人がダルい。
特に夏ですよ。
BBQとかフェスとか海とか行かないといけない、楽しまなきゃいけない感じ、夏が憎い。
でも家からでないと出会いもない。
故に交尾もできない。
そ、その通りです。。
あと補足すると誘われるとめっちゃ嬉しいのが本音です。
1個もいいとこないってとこも分かるな。。。
もちろんいいとこない人間なんていないんですけど。
他人に褒められたりしても腑に落ちないんですよね。
ありがたいし嬉しいし素直に受け取るけど、「いや、でも誰でもこれくらい普通にできるし」とか思っちゃったり。
足りない 俺には何か足りない
君にも何か足りない
きっとなにかが足りない 足りない
飲みにケーション 足りない
ノリとテンション 足りない
求心力も行動力も要領も
足りない足りない足り・・・
無いものだらけで 無いものねだりな
最低のろくでなし
俺ら プライドにまみれて ハートが壊れた サイコなお友達
作詞:R-指定
無いものねだりですよね。
自分には決して手に入らないものを持ってる人がいたり自分がなりたい人間にデフォでなってる人がいると卑屈になりますよね…。
私はルミネとか高島屋に行くと卑屈になります。
ウン万の服を定価で躊躇なく買える奴らめ…って。
サビの頭、「足りない」「無いもの」で被せてるのが面白いですね。
無いものだらけで〜 の曲と歌がユニゾンする感じが好きです。
サイコは最高とかかってるんですかね。
最低と最高。
こちら たりないふたり
俺 時間 守らない 松永 デリカシーが無い
高卒と中卒 偏屈で窮屈で 低俗で軽率なポンコツとポンコツ
作詞:R-指定
シラフで酔狂とか、先日発売された「よふかしのうた」に入ってるグレートジャーニーとかもそうですけど歌詞に「松永」って出てくると嬉しいんですよね。
メディアとかでRさんが「松永さんは友達なので〜〜」みたいなこと言ってるとなんかいいな、って思います。
どのグループもバンドもアイドルも、自分の好きな人たちが仲良くしてる様子を伺えるのはすごく幸せを感じます・・・。
Rさん時間守らないネタもグレートジャーニーに出てきます。松永さんのデリカシーのなさはANN聴いてるとなんとなく分かります。
そして垣間見える人柄の良さも。
と言っとく。
「otsu」で韻を踏めるのって日本語ラップならではですよね。
英語だと「ou」は出来ても子音で止める発音は歌に乗せてしまうとほぼなくなるので。
英語に聞こえる日本語曲もかっこいいけど、日本語ならではの響きを思い切って使ってるのがRさんらしさ、ひいてはクリーピーナッツらしさになってるなあと思います。
こないだ音楽番組で「日本語なのに英語に聞こえる新しい唄い方のアーティスト!」みたいな紹介されてる歌手がいたんですがその紹介の仕方はあまりに日本の音楽を知らなすぎだろ!と思いました。
という愚痴をここに置かせてください。。
また他人に笑われるかも 嫌われるかも
すべるかも 叱られるかも
“イタイ”って思われるかも ”キモイ”って思われるかも
「って誰もお前の事など気にしてないだろ」
作詞:R-指定
うわー痛い、心が。
プライドにまみれて恥をかきたくないが故にどんどん根暗スパイラルにハマるんですよね…。
「また」ってとこが彼ららしくていいですよね。
ハナからスカして周りを見下して何もしなかった訳じゃなく、文化祭でラップしたり、卒業文集に自分の歌詞書いたり、性欲ないアピールしたり、女の子無視する自分に酔ったりして笑われ嫌われすべり叱られ、イタイキモイ言われた末のこの卑屈さなんだろうな・・・。
てかこの裏でリズムに合わないカチカチ音聞こえるな?あれなんだろう。
もう笑われるのも嫌われるのも、人間関係最適化のために必要だって割り切れるんですけど、スベるのと叱られるのは本当に無理ですね。
メンタル弱いので。
だからめっちゃ予防線張ったり、叱られそうなことをしなくなったり。
メンタル強くなりたいよ…。
わかってる わかってる わかってるけど
We are 心配性ですぐ根に持つ
シャバ増 ダサ坊 ハンパ者 田舎者
チェリーボーイ
Please don’t cry eny more
自意識過剰 被害妄想 自己顕示欲の大暴走
偏見まみれの色眼鏡かけて 今日も視界良好
作詞:R-指定
シャバ増はシャバ僧の誤植?
ここの畳み掛けすごい好き〜〜。
心配性って別に母性とかじゃなくて周りの目に対する自分の見られ方の心配でしょうね。
自意識過剰 被害妄想 自己顕示欲の大暴走
に続いてる部分でしょう。
あとはさっきの嫌われないかな、怒られないかな、の心配。
チェリーボーイは松永さんのことですね。
自意識過剰 被害妄想 自己顕示欲の大暴走
偏見まみれの色眼鏡かけて 今日も視界良好
これは声に出して読みたい日本語、平成のトップに入るのでは?
全然視界”良好”じゃないだろって思いますけどね。
私を見て!個性的でしょ!すごいでしょ!
っていう自己顕示欲と
私を見てる!悪口言ってんのかな!
っていう過剰な自意識、被害妄想。
プライドばっかり高くて卑屈な、たりない我々は確かに偏見という色眼鏡をかけて生活しないと眩しくて視界不良でまともに前見えないんですよね…。
「金持ちのボンボンなんて自立心ないよ」
「デキ婚した地元のヤンキー、どうせすぐ嫁と子供捨てるよ」
そんな色眼鏡をかけてないと、輝かしい人間達の中で
生きていけないんですよ。
足りない 俺には何か足りない
君にも何か足りない きっと何かが足りない 足りない
ステイタス 足りない フェイマス 足りない
お金だとかオシャレだとか人望が足りない足りない足り・・・
無いものだらけで 無いものねだりな最低のろくでなし
俺ら プライドにまみれて ハートが壊れた
サイコなお友達
作詞:R-指定
このときすでにステイタスもフェイマスもあっただろ…って思ってしまう。
だってロックバンドしか聴かなかった私がクリーピーナッツにハマったのもたりないふたりがリリースされた頃だったし。
まあ今や音楽にさほど興味のない子やミーハーな子でも2人を知ってたりするからね…。
すごいです。
私も、プライドにまみれたお友達です。
この曲はそんな私になんの励ましもくれないけど、大好きなアーティストに共感できるというだけでも音楽好きにとっては救いなんです。
一緒に卑屈になってくれる友達も学生時代ほどは会えないし。
その友達の代わりが今、音楽なんです。
Creepy Nutsが人気なあたり、私と同じ気持ちで聴いてる人がたくさんいるんだろうな。
ホントはバカ騒ぎしたい ホントはチヤホヤされたい
みんなの輪の中心で男女問わずに仲良くやりたい
ホントはBBQも行きたい
ホントはサプライズもしたい
その写真をFacebookにUPしてメチャ「イイネ」押されたい
オシャレなカフェにも行きたい
並んでパンケーキ食べたい
頭の良さそうな事つぶやいてリツイートされてみたい
アレもしたい コレもしたい それでも他人の目が怖い
アレ足りない コレ足りない 結局のところ自分が足りない
作詞:R-指定
迷惑かけてまで騒ぐ奴は軽蔑してたし、そこまで他人に迷惑かけて平気でいられる奴らの神経は羨ましかったです。
パンケーキを「流行りの食物」と定義すれば、並んでまで流行りに乗ろうと思えるその素直な心が羨ましい。
みんなと同じように、流行になんの疑問も抱かず素直に流される性格ならどんなにラクだったことか。
…ってことだと思います。
単純に「BBQがしたい」「パンケーキ食べたい」ってことだけでなくて、素直に流行に乗れて、それに誘ってくれる人がいるのが羨ましくて腹立たしい。
協調性 社交性 社会性 柔軟性 ユナンセーン
主体性 積極性 強要すんなパイセン
ほんと うぜーなお前
計画性 将来性に安定 めんどくせぇが結局は反省
どうどうめぐり どないせぇちゅうねん 応答せよ マイメン
作詞:R-指定
結局は反省。
自分のたりなさにちゃんと反省するの可愛いですよね。
この2人テレビ出ると視聴者に「好青年」とか思われてますもんね。
なんかのコメントやツイッターでちょいちょい見ます。
(HIPHOPのイメージとのギャップというのもあると思いますが…。)
結局表面だけ取り繕って社会に適応しようとして他人との間に何重にも壁作ってしまうんですよね。
私も壁が3段階くらいあると言われます。
応答せよマイメン。
幾重にも重なった壁を全部壊して適切な距離で人生を共にしてくれる数少ないマイメン達。
たりない自分で生きていかなきゃだからこそ、大事にしなきゃなぁ。
…綺麗に締まりましたね。