BUMPの人気曲の1つ「アルエ」。
この曲に出会った当時中学生の私も、毎日毎日聴かないと気が済まないほど大好きでした。
そしてこの曲をきっかけにして「エヴァンゲリオン」の漫画を少ないお小遣いで購入していました。
…なぜエヴァンゲリオンかと言えば、この曲は「綾波レイ」というエヴァのキャクターへの愛が唄われているからです;
アルエ→アールエー→RA→レイ綾波
それを踏まえて、この曲の私なりの解釈を書いていきます。
歌詞参照元:うたまっぷ(https://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B06359)
1番
Aメロ-感情を知らない女の子
白いブラウス似合う女の子
なぜいつも哀しそうなの?
窓ぎわに置いたコスモスも
きれいな顔うなだれてる
作詞;藤原基央
綾波レイというキャラクターは、感情がないのではなく、感情を知らないのです。
だから哀しそうに見えてしまう。
「白いブラウス」「青いスカート」は彼女の制服であり、ほぼ私服です。
「自分の場所を知らない」
とありますが、初めは住む場所や付き合う人に無頓着で、自分を創り指令するゲンドウにのみ心を開いて(という言い方が正しいかは微妙)いました。
Bメロ-異次元の女の子
いつか君はブランコにゆられて
いたいけな目を少しふせて
哀しい顔でうつむいた
「アタシハヒトリデヘイキナノ」
作詞;藤原基央
ブランコのシーンありましたっけ?
アニメ版では特に出てこなかったなかったような…。
漫画だと扉絵にブランコに乗って微笑むレイのイラストがあります。
可愛くて記憶に残っています。
そして確かに目を伏せてましたが…
当てはまるシーンがあるとしたらこのシーン(?)でしょう。
本編は出来上がっているから、無限に想像可能な扉絵でストーリーをふくらませたのでしょうか。
おそらくですが、1番のBメロはエヴァ本編にない空想上のストーリー、言ってしまえば妄想です。
「アタシハヒトリデヘイキナノ」というセリフもないですもんね。
いや、わかるよ、わかるよ藤くん。
私だって本気で次元の違う方に恋をすることがありますもん。
サビ-「日なた」「ブリッジ」とは?
ハートに巻いた包帯を
僕がゆっくりほどくから
日なたに続くブリッジを探しておいで
作詞;藤原基央
ハート(心)包帯(布) →怖
その布を取ってあげるという意味だと言われています。
怖いというのは、使徒(敵)との戦いもそうですし、人と繋がること、そして離れることではないかなぁと思います。
そもそも初登場時からレイは包帯のイメージが強かったです。
それで包帯というワードが出てきたのでしょう。
そして、これはエヴァの曲ではないです。
つまり「僕」は藤くん自身(おそらく)。
純愛ですね…。
ブリッジが指すものは具体的には分かりませんが、レイは日なたにいるイメージは確かにないです。
「寒いとこ」=「無機質な部屋」「孤独」
「日なた」=「ぽかぽかする」「温かい」
温かさを感じる描写は本編でもいくつか出てきます。
「ポカポカする」「ポカポカしてほしい」というセリフは、どのエヴァ作品でも綾波レイという人物を表現するのに使用されています。
「ブリッジを探しておいで」は、その「人の温もり」を自ら求めてくれ、という応援なのでしょうか。
新劇場版の「破」の最後、シンジがレイに手を伸ばすよううながすシーンがあります。
そのシーンこそまさに「日なたに続くブリッジを探して」という感じがしました。
まあ、3次元の我々には2次元に向かうことなんて出来ないですからね。
こちらに来てくれるのを待つしかありません。
ちなみに「日なた」と聞くとNERVオペレータの日向くんを思い浮かべるかもしれませんが、彼は「日向」と書いて「ひゅうが」と読みます。
2番
Aメロ-空想パート
2番のAメロは、聴いているこちらも少し照れてしまいます…(笑)
完全に2次元の世界に行った藤くんの、いわば同人誌的な世界が描かれています。
本当はとても寂しいんだろう
作詞;藤原基央
この部分は、作品を見ていると分かります。
綾波レイは自覚していませんが、涙を流したり、主人公「シンジ」を独り占めしたい気持ちが自分の根底にあるのです。
つまり、ある意味この部分はシンジへの宣戦布告ですね。
がんばえ!藤くん!
Bメロ-不器用なだけ
作詞;藤原基央君は人より少しだけ
不器用なだけの女の子
「ウレシイトキドンナフウニ ワラエバイイカワカンナイ…」
作詞;藤原基央
「不器用なだけ」とありますが、その通り、レイには感情が「無い」訳ではないのです。
感情とその表現の仕方を知らないのです。
これは漫画版にて明確に言及されています。
「ウレシイトキ~」も本編に出てこないセリフですが、こちらはエヴァの中での有名なセリフを彷彿とさせます。
主人公シンジがレイを助けた時、喜びながら涙しました。
その時のレイのセリフが、
「ごめんなさい。こういうとき どんな顔すればいいかわからないの。」
だったのですが、これがまたエヴァファンの中で語り継がれる有名なセリフとなっています。
シンジの応答
「笑えばいいと思うよ」
も、汎用性が高いので覚えておくと便利です。
サビ-感情表現(反実仮想)
うれしい時は目の前で
両手たたいて笑ってよ
そんな寒いトコ 今すぐでておいで
作詞;藤原基央
「涙」も「笑顔」も、レイ自身が感情を認識して表現することはほぼありません。
ましてや「両手たたいて笑って」いるレイなんて想像もつかない…。
でもやはりこれは想像の世界。
次元を超えた邂逅を経れば、レイの笑顔もきっと見られるのです。
逆に言えば、感情の表現の仕方を知らないレイがこんなに感情表現をできる=あくまで藤くんの妄想でしかない、という意味合いもあるのでしょうか。
ラスト-笑顔のスライドの意味
ハートに咲いたコスモスが
枯れないように水をやろう
青空の下でゆれていてスゴクきれいさ
作詞;藤原基央
コスモスがなんのメタファーなのかはっきりとは分かりませんが、一重の花びらと細い葉の繊細さがレイのイメージに合うとも思えます。
また、見た目の繊細さとは裏腹に割とどこでも咲ける強さもあります。
基本的に秋に咲く花なので、
コスモスが咲く=秋がある
とも取れます。
エヴァの世界では、地軸がねじまがってしまって、年中暑い夏なのです。
エヴァの世界から、四季のあるこちらに来た前提で話していることの示唆なのかなと深読みもできます。
ブリッジでとったスライドは
君が生きてるって証拠さ
あたたかい日だまりの中で一緒に 手をたたこう。
作詞;藤原基央
「ブリッジ」も「スライド」もギター用語ですね。
関係ないかと思いますが。
自分で見つけた「日なたに続くブリッジ」で、笑顔、つまり感情を表した「スライド」があることで、レイ(2人目)が生きている証にしようということでしょうかね。
笑顔を見せたのは2人目のレイです。
【レイは平たく言えばレイはクローンなのですが、本編でメインで登場するのは「2人目」のレイ。
自ずと藤くんが好きなのも2人目のレイということです。】
笑顔のスライドがあるのは「2人目のレイが生きている」証拠、という意味ではないかなと思っています。
「生きた証」だとまた印象が変わりますが、「生きてるって証拠さ」と言ってますので、藤くんの中では2人目は生き続けるし、会えるんですよ。きっと。
最後に、レイの感情の変化や成長を象徴する「あたたかさ」に言及しています。
BUMP OF CHICKENが好きな方、アルエが好きな方はぜひエヴァンゲリオンをご覧になって、藤くんの心に少し触れてみてください。
2020年8月追記
藤くんが一般女性との結婚を発表しましたね。
えっと。2次元の女性は「一般女性」に入るのでしょうか…。